草木染め教室
自然塾講座
茜色に染める(草木染)
2004.7.24
会場 伊勢原雨岳文庫
講師 川崎寿子先生
(草木染研究家)
茜色は、朝日や夕日を受けて照り映えるわずか黄みを帯びた沈
んだ赤色のことですが、もとはアカネの根で染めた色のことです。
郷愁を誘う言葉ですので染料や草の名は忘れられましたが「茜雲」
「アキアカネ」枕詞の「茜さす」など色のほうが残りました。
染料としては西洋アカネのほうが良く使われ、天然添加物とし
て食肉製品、ジャム、菓子など幅広い食品の着色料として使われ
ておりました。ところが、この草木染教室の計画中の6月半ば、厚
生労働省が腎臓に対して発がん性が認められると発表しました。
食べる訳ではありませんので関係ないと思われますが川崎先生は
それなら日本アカネを使いましょうと言うことになり、古くから
の伝統色に挑戦することになりました。日本アカネは四角い茎を
持つ、野原で普通に見られるつる草です。長い柄のある 4枚のス
ペード形の葉が特徴です。
1 必要な道具
ボール、鍋、秤、計量カップ、計量スプーン、タイマー、菜箸、
木綿のさらし布(70×70)、ゴム手袋、木綿の手袋、ザル等
2 染料液
染料(茜の根)を湯に入れて加熱して、沸騰後15分間煮出します。最初にと
った染料液を1番液、以後2番液、3番液と呼びます。アカネの場合、1番液2
番液より茶み、黄みがあり好みによりますが渋みがあります。
3 染め方
草木染の染め方には「浸し染め」と「引き染め」があります。文字通り布な
どを染料に浸して染めるのが浸し染め、刷毛を使って染料液を塗って(引いて)
染めるのが引き染めです。染料液を加熱しながら染めるのが「煮染め」です。
4 媒染液
色の定着剤が媒染剤です。染料を吸着させ、固着させ、発色させる働きがあ
ります。同じ染料でもこの媒染剤が違えば色が違ってきます。鉄媒染という鉄
を含む媒染剤は錆びた釘を食酢に浸して作ります。アルミ媒染はスーパーマー
ケットにある焼き明欝(焼きアンモニウム明響)を使用します。この媒染剤を
入れた水溶液が媒染液です。布の重さで使用量が変わります。基本的には生地
の重さの6%です。
5 前処理
染色する前にムラのないようあらかじめ布を湯通ししておきます。
しみこみにくい時には中性洗剤を加えた湯に浸します。未精錬の生地はア
ルカリや洗剤などを加え30分から1時間煮る作業をしなければなりません。
6 染色工程
浸し染め-媒染-(焼き明磐6%液 水洗2回)-浸し染め-媒染-(焼き明
容残液)一浸し染め-水洗4回一乾燥一天日干し